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不可思議な合作 四畳半タイムマシンブルース
2022/6/5

無駄に暑っ苦しい不毛な青春SF奇譚『四畳半タイムマシンブルース』をご存じだろうか?

 

本作は「四畳半神話大系」のキャラクターと、上田誠の戯曲「サマータイムマシン・ブルース」この二つを悪魔合体させた異色の作品だ。両者とも映像化経験のある人気作であるが、完全に別の人物が作成した話で、原作が世に出されてから15年近い作品という意味でもその作成経緯は神出鬼没な屋台ラーメン並みに不思議な作製経緯である。

 

「四畳半神話大系」はバラ色のキャンパスライフを送る予定バッチリだった大学生が、何故か不毛で無意義な大学生活を研鑽する羽目になるという認識をしていれば問題ない。ちなみに某大学の吉ダ寮に過ごす人々の話だと誤認されているが、そのような事実も一切ない。一方「サマータイムマシン・ブルース」は、劇団ヨーロッパ企画の戯曲が原作で、タイムトラベルを題材に、大学生たちがクーラーのリモコンを追い求めて、タイムマシンで「昨日」へ戻り次々騒動を巻き起こすSFコメディである。その2つ融合させて、四畳半の貧乏大学生集団がタイムマシンを無駄に暑っ苦しく利用する話に仕上がっている。

 

この不可思議な企画が通ったきっかけは、四畳半神話体系のアニメ版脚本担当が上田氏であった関係からこの企画が始まったという話ではあるが、それにしても15年の月日が経過した後での、なんとも珍しい経緯で制作だ。

 

本作のキャラクターの見せ方は、そのキャラクターたちの馬鹿馬鹿しい掛け合いコメディなのだが、元ネタ故かその言動は無駄に賢く、それでいて確かな馬鹿でないとできない学生の内輪ノリで形成されている。タイムトラベルものではあるが、元々は舞台での演出だった為、ギミックそのものが空間的な縛りありきの設定を落とし込んだ内容で、コンパクトにまとまったギャグは外連味すら感じる。

 

基本的には完全なコメディ作品であり、無駄に時空の歪みだのパラドックスだのSF的な小煩いことは言わない作品に仕上がっている。あくまでタイムマシンというギミックを、ワンシュチュエーションコメディの要素が強い。ドタバタ群像劇の行き着く先の小気味良い展開は、二つの味わいを確かに観客に味合わさせてくれる。映画版も近々公開されるとのことなので、楽しみにしてもいいかもしれない。

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